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万引き家族のDのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

その間に愛情はあったのか?ということは思わなかった。明確にあることがわかるから。

苦楽ありつつなんとか楽しくやってるようで、傍から見れば家族かどうかなんて疑問すら抱かないと思う。それどころか、この家族はみんなそこそこ上手くやっていて「いい家族」の部類に入るんじゃないかと思う。問題なんて、多寡や大小はそれぞれだけど、だいたい抱えてるものだし。
やっぱり幸せな家族って、何を差し置いても愛情で繋がってるべきだよな、と少し羨ましくなるくらいだった。

だけど、この家族の場合は、兄の妹への愛情があったからこそ壊れてしまったし、親の子に対する愛情があったからこそ、親子としての関係を自ら断つことになってしまった。一方で、愛情がなくても血の繋がりさえあれば家族になれてしまう。
こんなあべこべになってしまうってことは、やっぱり何かが間違っているんだろうなと思う。家族や幸福に対する、法律なのか、社会なのか、考え方なのか。

あの家族はそれぞれ、自分のことしか考えず、互いを利用しながら生きてる人達、みたいにに見えるけど、それは誰でも持ってるような、生きるために自然と身に付くずる賢さが、その人達の場合そうだったということだと思う。
女の子の本当の親が虐待を隠したり、金も信用もある警察官が、子供を自分で引き取らず施設に預けたりするのもそう。
後者は初めは何とも思わなかったけど、それは自分も同じ側だからだなと思った。
そんな自覚もなく、自分を正義だと信じて疑わず一方的に追及する警察官が憎らしかった。
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