せい

万引き家族のせいのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.7
予告でガン泣きした。
これ本編見たら絶対もう信じられんくらい泣くやつだわ、パルムドールも獲ったしいつか見にいこうと思ってた。
結果としては本編は泣かなかった。予告は場面の要所を音楽に乗せてきたから多分それで泣いたのだけど本編は思ったよりずっと音楽がなくて静かなシーンが続く。泣かせようと思って作ってるんじゃないんだと思う。ただひたすらに問題提起をしている。
万引きをしなければ生きていけない家族、学校に行けない子供、虐待、置き去り。普段深く考えないかもしれないけど目のそらせない現実がそこにはある。
でもりんちゃんが来てからの彼らは楽しそうだった。娘ができたみたいにたくさん可愛がってあげていたし、笑顔も増えた。
彼らは紛れもなく家族だった。
ただ血の繋がりがないだけで世間から引き離された。
血が繋がっていても家族になれない(なろうとしない)人もいるのに、その親がいいか悪いかも調べず元の親のところに返す。確かに彼らはしてることとそ悪いことだったし、はたから見たら悪い人だっただろう。でもりんちゃんの本当の親は?子供をぶったり、「産みたくて産んだんじゃない」と叫んで子供を置いて出て行くような親だが、世間はりんちゃんを元の親のところに戻した。それで正しいことをしたと満足げに眠りにつく他人の様子が想像できてしまって反吐が出そうだった。
安藤サクラはやっぱすごいなあ…。
「捨てた人は他にいるんじゃないですか」のシーンはもう目だけで全てを語っていたと思う。
そして個人的にはりんちゃん役の佐々木みゆちゃん。
最後の表情のアップが本当に凄かった。
せい

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