万引き家族のnonのネタバレレビュー・内容・結末

パルムドール受賞で知って気になっていたもののタイトルの“万引き”というワードが好きじゃなくて、でも、それだけで否定するのもなぁということで観てみた。そもそも是枝監督の作品は観たことがないのだが、人物描写が丁寧だなぁという印象。中でも音声のないセリフが印象的。人と人の繋がりは血縁だけではないとは思うし、少なくともこの偽りの家族には愛があったと思う。でも、歯がゆい。これは正しいことなの？という問いが常に存在するから。この社会が正しく生きることが大前提だとしたら、決して幸せにはなれなかっただろう一家を、人間らしいと感じる自分がいる。ダニエルブレイクでは空腹に耐えきれず缶詰めを手掴みで食べるシーンが強烈だったが、今作にはそれほど強烈なシーンはない。でも、じんわりとするシーンがたくさんあった。優しい作品だったと思う。