このレビューはネタバレを含みます
やっと観れた!
血縁であることによって規定されている「家族」のあり方を考えさせられる映画でした。
痛みを持った人間一人一人が傷を慰めながら、でもどこかお互いにそれ以上踏み込まない関係。助けつつ、利用して、救われていて、でも逃げでもある。
何かしらのしんどさを抱えて飛び出してきた人を元のいたコミュニティに戻すことが、果たして社会が目指す正しさと救済なのか。家族だけでなく、それは学校や会社や社会そのものにも当てはめて言えることだと思う。りんがその典型的な描かれ方だった。
血縁関係は良くも悪くも強く結びつき過ぎている関係だからこそ、不和が生じてしまった時にその家族のあり方が問われる。違う人間同士の集まりというのは一緒なのに、どうしてこんなにも血縁が強いのか?
あと、警察の聴取のシーンでいかにも社会の正論みたいなもので論破しようとして、コミュニケーションしようとしないやり方が、見ていてとてもイライラ。もどかしかった。
家族というテーマの他にも、メディア批判や警察という存在、人が一緒に生きる社会のあり方など、本当に考えることが多い作品でした。