TaiRa

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋のTaiRaのレビュー・感想・評価

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テン年代ポップカルチャー総括ラブコメになってて30年後くらいに観たら味わい深そう。

具体的な引用もある『プリティ・ウーマン』はじめ、数々のロマンティックコメディで描かれた男女間の役割を逆転させた作り。社会的地位があって仕事に追われる日々を送る女性と庶民派で感情的だけどカワイイ男のカップリング。政治コメディの側面も分かりやすく、現職大統領の扱いや女性初の大統領など、今だからこそのモチーフとも言える。モチーフと言えば作中に出て来るポップカルチャー。ボーイズⅡメンからリル・ヨッティー、『原始のマン』から『ゲーム・オブ・スローンズ』とMCU、90年代〜00年代で止まった価値観から新しい価値観をインストールする。「テレビ出身の映画スター」はテン年代以降は数え切れない程いるのだから、セス・ローゲン(最新カルチャーを追ってる人物)からはその名前が出て来るべき。2回目のやり取りなんだし変えても良かった。古典的で王道ストーリーではあるがディティールを更新するだけで一定の面白さが出て来る。デートにはジェラートでなくモリーを。カリブーの「Can't Do Without You」って地味にテン年代を代表する懐メロになってる。トリップしながら人質解放の交渉する場面はシャーリーズ・セロン楽しそう。彼女がサングラスかけてるシークエンスが良い。リズ・ハンナがリライトに参加してるからか女性しか書けないだろう台詞が多い。同時にクライマックスの展開に関しては、それ男だったら構わないっていうレベルの問題か?とも思う。男女の非対称性についての話だけど。シャーリーズ・セロンのカワイイ要素は良かったし、親友のオシェア・ジャクソン・Jr.の属性に関する話とか笑えつつ芯食ってるし、総じて良い。イヴ・べランジェの撮影はあまり合ってない気はした。もっとポップな画の人がいい。やっぱラブコメは明るくユルく撮って欲しい。それはそうと『GoT』観ないといけないな。
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