早

北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイの早のレビュー・感想・評価

3.5
・アバウト過ぎる要約:「取り敢えず、郷に入ったら郷に従え!」

欧州において、異端視されるクレイジーなバンドが、なぜか北朝鮮に招待され、ライブを行うこの映画。
北朝鮮では、検閲行為及び、集団合意形成をしなければ前進しない。そのような関係者を前に苦心する一行。
何よりも、ドキュメンタリー・ノンフィクションの類にしては、絵作りやカメラワーク・構成が非常に卓越しており、視聴を飽きさせない。

パンクな人が、理路整然と合意形成を求める姿、即ち、「腹を割って話そう」的な感じで、意外にオトナに見える姿と、幸せそうに日常を過ごしたり、「未知なもの」に対してビックリする北朝鮮人民の印象的且つ、素朴な「表情」という物が、我々が無意識に持っている「思い込み」・「常識」をひっくり返してくれる。これが、映像の力というものではないだろうか。(見せ方で騙された。)

勝手に残念だと思ってしまった点は、あまりにも短すぎる本番のライヴシーンと、ちょっと一人で都会の街歩きをしただけで、「幸せそうに暮らしているじゃん」と総意を述べてしまうリーダーである。

冒頭でジジェクが述べた、「体制転覆するには、価値観を批判するんじゃなくて、裏側を暴露せよ」とのテーゼは何であったのか。

何はともあれ、行動力にリスペクト。
早