manami

ラジオ・コバニのmanamiのネタバレレビュー・内容・結末

ラジオ・コバニ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

またしてもきちんと勉強していない私が、この映画を観ただけの感想を垂れ流します。

ISに攻撃されていたシリアの都市、コバニが舞台。コバニでラジオパーソナリティをしている女性が、生まれてくる子供に向かって語りかける。

「戦いが始まればどちらも敗者」

中盤はシリアで起きた観てて苦しい映像が淡々と流れる。淡々と敵を撃ち、殺したら笑みが漏れる。きっと戦いが始まった時はもっと辛い感情があっただろうに、時間が経つにつれ無くしていく。もちろん相手(IS側)には最初から罪の無い人間を殺していると言う自覚はないのだけれど。

捕虜ととして捕らえたISの人は、自分が何をしたのかを理解していなかった。自分の正義を振り翳して人を傷つけて、そこから守る為に戦う。終わりは無く、ひたすらに悲しい現実。

「自分が生きるためにはたとえ子供だろうと相手を殺さなきゃいけないし、武器を奪う為に遺体に近づくまで子供だと気づけない」

コバニが解放されだんだんと街に、人に、活気が戻ってくる。過去に縋らず、皆淡々と今を未来を生きているように見えた。辛い過去を振り返っても何も変わらない。

どんな状況でも音楽を流して楽しんでいる人達が印象的。

女性も沢山戦っていると嬉しそうに語った女性の隊長。女性は逃げているだけだと言うより遥かにましだが見ていて心が苦しくなった。男性であれ女性であれ、戦場で戦っている事を誇りに思う状態にした(この場合は)ISが憎い。

ただただ「過去の事」や「遠い国の出来事」として片付けてはいけないなと思った。物理的な戦闘で無くとも私たちの日常に似た様な出来事は潜んでる。
manami

manami