クルド人の街コバニを舞台にしたドキュメンタリー作品。製作国はオランダ。
冒頭からISとの戦争による凄惨な現場を描写してきて結構しんどい。ドラマティックにでもなく淡々と映し出すだけなので余計に。日本からすれば遠い国の出来事みたいな扱いだけど、現地の人からすればなにをどうすればベストなのかの判断が難しいぐらい込み入った状況。
そんな中、女性兵士へインタビューをした時に故郷に残って戦う決心をした人も多いというやり取りがあって、なるほどなと思った。亡命する人も多いが、故郷を捨てない人も多い。そして戦う相手であるISも同じような感じ、貧しいからカネのために殺してしまったというインタビューもかなりリアル。一般市民目線での戦争をしっかり描ききっている。
「戦場にいる時は精神的ダメージに気づきにくい」という受け答えが印象的。これは戦場に限らず、仕事やゲームなんかでも同じ、あとから棋譜やリプレイを見て「なんでこの時こうしたんだろう？」となる事が多い。これが現実とならば生死に関わるから、実際にその場にいるいないで判断は大きく変わるんだなと改めて思い知らされた。
ドキュメンタリーとしては主張がそこで終わってしまってて少し残念だけど、1時間と少しという短さもあるし観て損はないと思う。早くパレスチナや印パ、中東情勢が和平に向かいますように。
