間々田陽紀

天才作家の妻 -40年目の真実-の間々田陽紀のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

※この映画のエンディングも忘れられないシーンとなりました。飛行機の機内でジョーンが捲るノートで白紙のページが開かれますが、恐らくこのシーンはジョゼフが亡くなってようやくジョーンが自身の名前で小説を書き始めることを暗示していました。なかなか思わせぶりな演出でしたね。

※劇中で《本は読まれなければ意味がない》という台詞があり、それに対して《本は書き続けなければ意味がない》と応じる台詞の対比された内容は重みがありますね。

※女性作家が本を出版するのが難しい時代があったことを、この映画で初めて知りました。逆にそれでも名のある女性作家がいることに感動すら覚えますね。

※ジョゼフが書いた小説のタイトルが《クルミ》だというところに、映画の中でジョゼフが女性に惹かれて想いを伝える道具としてクルミを使っていたことと繋がっていましたね。

※ジョーンとジョゼフが初めて本が出版されたときとノーベル賞受賞の時と、長い年月を経て2人がベッドの上で手を取り合っているジャンプしているシーンは味のある演出ですね。

※ジョゼフが亡くなった時に彼を見つめるジョーンの後ろの窓の向こうに白い雪が降っていて、そこに次第にフォーカスするシーンは素敵でした。

※ジョゼフのゴーストライターであり続けたジョーンの表情に決して自分の感情を表さないという演技が、間接的に上手に描き出していましたね。
間々田陽紀

間々田陽紀