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ゲッベルスと私のおのレビュー・感想・評価

ゲッベルスと私(2016年製作の映画)
3.8
普段新しい知識に出会わずに腐った生活をしてる自分に一気に水が流れ込んだ気がした。
やはり私は知識欲こそ死ぬまで人間の性だと思うんだがいかがですかね?
知識の刺激がないと脳が腐る。あぶねえ。
それにしても観客の平均年齢がゆうに60歳を超えているであろう劇場ってのは初めてだったな。

ナチスのプロパガンダを一手に担った宣伝大臣、J・ゲッベルスの秘書を務めたブルンヒルデ・ポムゼル。
大戦から70年を経て口を開いた彼女の証言から当時のドイツを追うドキュメンタリー。
“人生はその人の顔に表れる”とはよく言ったもので、彼女の深く刻まれた皺、そして70年以上前の会話までも鮮明に記憶し、明瞭に話す視線の奥の感情の揺れから目が離せなかった。

世界史を大きく動かしたナチスの大物にこれほどまでに近く、そして現在これほどまでに鮮明に当時の記憶を話すことのできる生き証人は彼女以外に存在しないのではないか、それほどまでに地球の歴史がひどく傷ついたすぐ側にいた人物の揺れながらも中立的な言葉はなにか得るものが必ずあるだろう。

彼女の証言の合間合間に流れるアーカイブも含めて113分全てが二度と撮ることのできない映像だった気がした。


長いっすか?
お