キツネとタユタム

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのキツネとタユタムのレビュー・感想・評価

4.5
下火となってしまった元映画主演男優が、自身の落ちぶれた現在を感じながら、スタントマンと共に栄光を取り戻したいと苦難する話。

2時間半の中、2時間が壮大な前振りに使われるというぶっ飛んだ作品。タランティーノ監督の信頼がなせる業だと思う。絶対最後には何かしてくれる、そう信じてた。
最初から中盤に至るまで、特に凄い見どころとなる場面も無く、3人の登場人物の視点から淡々と物語が展開してく。そのどれもが繋がるような要素があまり無く、平行線上を進んでいく。
どんな結末かも分からないまま頭に?が出たまま、何となくは面白いので観ていると、最後30分のバカ騒ぎに突入する。「バカな映画だ!」と声を出して笑ってしまった。しかし、その最後に向けて、丁寧に張り巡らされた伏線を考えると感動して涙も出てしまう。ディカプリオとブラピは最高だなほんとに。あの火炎放射器は絶対に忘れない。

夢を追い続けていると、何も関係性が無さそうなところからでもチャンスが湧いてくる。そういうことをみせたい映画なのかなと感じた。しかも、その出来事は悪いことで、絶望こそ最大のチャンスであると考えることが出来る。
ディカプリオの役どころは悩んではいるが割とお気楽な部分もある。思いつめるのも良くないし、かといって能天気すぎるのも良くない。その絶妙なバランスで生きていれば、いつか光明が見えるということなんだろうなと思った。
マーゴット・ロビー可愛い。

前情報何も無しで観たけど、これは実際に在った「シャロン・テートの事件」がもとになってるそう。
それを知ると映画の全体的な展開や最後の場面は少し違った見え方になってくる。何にせよタランティーノ監督最高だなと言わざる追えない。
キツネとタユタム

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