キツネとタユタムさんの映画レビュー・感想・評価

キツネとタユタム

キツネとタユタム

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イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

4.0

1862年当時、不可能とされていた天気予測を実現するため、気球で前代未聞の高度8000mに到達する実話がベースの映画。誰も成し得ていないことは荒唐無稽と揶揄されるが、何かを成し遂げるには、他者の言葉に>>続きを読む

3人のキリスト(2017年製作の映画)

4.0

1950年代後半、自分をキリストだと名乗る3人の精神科患者を集め、会話による治療を試みる映画。当時の精神医療は電気ショックやロボトミー手術が有効とされていた時代。それが常識と妄信する思考は怖さを感じる>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.6

家族を守り、世界を滅ぼす男サイコ・ゴアマン。
世界の倫理観は崩壊し、狂った人類に捕らえられた可哀想なサイコ・ゴアマン。
B級なのに、しっかりとしたストーリーラインがあるため嫌いになれない。
誰かクレイ
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.0

死地へ向かう前に食べ物を取っておくのは、バガボンドで「帰ったら餅を雑煮に入れるためとっておいたやつ」を思い出す。でも、彼女たちの行為は覚悟の無さというよりは、生死を超越した達人の領域の何かと感じざる追>>続きを読む

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

4.3

閉鎖空間でのクロエ・モレッツによる一人芝居。「トムとジェリー」でも感じた、一人なのにあたかもそこに何かが存在するかのような演技力はホントに凄い。そしてグレムリン、存在が面白すぎる。ラストに向けての解放>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

4.0

感情は判断を鈍らせ、不当な正義の鉄槌を求めてしまう危険性がある。テロリストを収容するため設けられたグアンタナモ収容所の在り方は許容し難い。感情に支配されない方が難しい状況だけど、そんなときこそ冷静に判>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.1

「普通」の概念を改めて考えてしまう。人は知らず知らずのうちに、生まれや育ちで人生を線引きし、それぞれが自分の「普通」を作り上げている。その中で実は「普通」を保つため、無意識のうちに諦めていた道があるの>>続きを読む

モービウス(2022年製作の映画)

4.0

他人の命を犠牲にしないと生きられない超人の葛藤を描くのは面白い。人を助けるため病気と闘った主人公と、病気のせいで抑圧され生きてきた友人。その二人が力を持った時の行動の対比も面白い。その辺をもう少し深堀>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

3.8

ブータンの秘境、標⾼4,800メートルの集落ルナナに教師として男性が訪れるお話。雲と同じ目線である村の風景に魅了され、文化や伝統、出会いを大切にする生き方に感銘を受ける。そして9歳の少女ペム・ザムちゃ>>続きを読む

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

3.7

1962年ソ連で起きたノヴォチェルカッスク虐殺事件を描いた作品。凄惨な事件を引き起こし全てを隠ぺいする流れが国家目線で描かれるのが印象的。決定打があるわけでなく、起こるべくして起こった冷徹な空気に恐ろ>>続きを読む

怪物はささやく(2016年製作の映画)

4.5

人生は末永く複雑。悪く見える行いでも、見方を変えれば多面性があり、絶対の基準は作れず、簡単に罰することはできない。この物語は、受け入れ難い事実に向き合う勇気が無く、無意識のうちに攻撃的な態度をとってし>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.5

「マッチョ」はスペイン語で男らしいという意味らしい。劇中クリント・イーストウッドに向けて「マッチョ」と決め台詞のように囁かれる場面があるが、日本だと「マッチョ」は少し面白い言葉であり、決め台詞としては>>続きを読む

永遠のこどもたち(2007年製作の映画)

4.5

切なくも優しい秀逸なラストは不思議な感覚に陥る。没入感が凄まじい映画だった。物語の良さのみならず演出も素晴らしい。なんでもないシーンの行動を再度ホラー演出として扱う個所があり、それにより恐怖が倍増して>>続きを読む

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

3.5

黒人差別の悲惨さを知らしめる歌「奇妙な果実」
それを歌うビリー・ホリデイの人生を描く物語。映画としては淡々としており、エンタメ性は乏しい。だけど1940年代アメリカのレイシズムや麻薬の文化を重く体感で
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コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

3.8

前作までの流れから、どんでん返しの多重構造が展開されると予想したうえで、最初から疑って観ても、予想以上のどんでん返しをしてくれたのでとても満足。エンタメ性もありつつ情報の出し方も違和感無いので、脚本が>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.3

汝、殺すことなかれの教えを胸に刻み、銃を持たず衛生兵として戦地へ向かった実在する兵士を、アンドリュー・ガーフィールドが演じた映画。何が起きても流されない強い信念は、周りの人間に多大な影響を与え、全体の>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.7

物語の重要なポイントや真のテーマが、モノローグやタイトル、映像でのみ語られるため、とても難解な作品に思う。しかし張り巡らされた伏線を思い返すと無駄なく洗練されており、驚くべき出来栄えに感じる。旧約聖書>>続きを読む

永遠の0(2013年製作の映画)

4.1

生き残りたいという思考が少数派で、そんな思いを口にすれば、臆病者の烙印を押される状態であった戦時中の思想統一の流れは怖いものを感じる。今の自分の思想は大きな波に流され作られてしまったものか。一度立ち止>>続きを読む

HOKUSAI(2020年製作の映画)

3.5

名画群「富嶽三十六景」を産み出した葛飾北斎は、最初から天才では無く、愚直に絵への情熱を継続することにより、本物になれた。時代やライバルに翻弄されながらひたむきに絵と向き合い生きる北斎の姿に刺激を受ける>>続きを読む

天外者(2020年製作の映画)

3.7

「地位か名誉か金か、いや大切なのは目的だ」という名言を残し、近代日本経済の基礎を構築した五代友厚の半生を描いた作品。疎まれながらも未来を見据え「誰もが夢を見ることが出来る国」にするべく、命をかけ奮闘し>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.6

強烈な社会風刺の映画でありながら、最高級エンタメでもあるこの映画は、スペクタクル依存の怖さを、傑作を作ることで体現してるのだと思う。多くのものが搾取し忘れ去るなかで、テーマを捉え思考した者には、この作>>続きを読む

GHOSTBOOK おばけずかん(2022年製作の映画)

3.7

子供時代の濃縮された時間で経験する思い出の大切さ。そんな記憶の尊さを思い出させてくれる作品。子供向けではあるものの、物語がしっかりしてるため、大人でも心躍る瞬間が随所にあり驚かされる。ラストは泣いてし>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.9

生態系が崩れた影響や、クローンの存在意義など、前作から引き継いだテーマは二の次で、アトラクションのように次々と現れる様々な恐竜を、新旧の恐竜大好き人間たちが手馴れた対処をしていくのが見どころ。複数人で>>続きを読む

春を背負って(2014年製作の映画)

3.7

煙草も人間も「煙」になって初めて本当の価値が分かる。肉体を失ったあとに残る精神こそがその人の本質であり、後世に受け継ぐ生きた証となる。温かみのある人たちにと温かみのある物語で優しい気持ちになれる山の映>>続きを読む

ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

暗殺者の親を持つ女の子が、自分も暗殺者になり任務をこなすが
任務中に出会った女の子が自分の子供時代と被り、匿ったら不慮の事故により組織から狙われる話。

個人的にはハマらなかった作品。
アクションにせ
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

4.5

何故人は山に登るのか。長年問いかけられてきた疑問の謎の答えが見えてきそうになる。伝説的登山家マロリーが残した名言"Because it's there."そこにあるから。それは人間の根源にある闘争本能>>続きを読む

ムーンフォール(2021年製作の映画)

3.7

想えば「月」にはまだまだ謎が多く、可能性の一つとして考えると、結末は非常にロマンがある。ディザスタームービーとしてはあまりワクワクしないけど、ディザスターxわんぱくなSFとしてみると趣がある。エメリッ>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.2

発言が消極的になったり、新しいことを始める意欲が削がれるのは、有限な時間という制約に押しつぶされているからかもしれない。その制約から逃れることは困難で、窮屈な生活はどうしても強いられる。だけど一度無限>>続きを読む

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

4.0

自分の考えに固執し、軽率な行動を取るバズとその仲間たちが、失敗から学び成長するお話。ときには大切なものを捨てたり、改めて今の立ち位置から価値観を再構築出来ると人は成長する。
孤独だった世界の自分との対
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.5

変わりゆく環境、新天地への恐れ。人は変化を恐れ、今を守ろうとする。だけど、果たして守っているものは意味があるのか。意地になり可能性を潰していないだろうか。守るべきは故郷では無く、人や家族との絆。奪われ>>続きを読む

ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

4.8

妻が列車事故で亡くなったという知らせを受けた軍人が、その事故が殺人事件に巻き込まれて起きたものと聞き、仕組んだ者たちへ復讐していくお話。

最近デンマーク映画との肌感が合うのに気付き密かに高揚感を隠せ
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.2

ククルス・ドアンという男が、戦争孤児の子供たちを無人島で一機のザクだけで守っていたというお話。

ククルス・ドアンの島はガンダムの中でも伝説的なエピソード。
作画崩壊でも話題になるが、独立したエピソー
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.7

伝説のパイロット、マーヴェリックがエリートパイロットチームトップガンの精鋭を鍛え上げ、不可能な任務に挑むお話。

36年越しの続編であり、続編としても、一本の映画としても最高の出来。
前作をなぞる演出
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犬王(2021年製作の映画)

4.0

世阿弥と人気を二分したとされる能楽師犬王に焦点を当て、友である盲目の琵琶法師との友情を基軸に、その生涯が語られる映画。

歴史上語られなかった史実をファンタジーを含めて描いている作品。
湯浅監督の天才
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.6

新人アニメ監督が、天才アニメ監督と同時間帯枠でのアニメ放送が行われ、人気で勝ち、「覇権」を取りにいく話。

モノづくりに関わる人であれば、誰でも心を動かされるであろうテーマであり、終始胸が熱くなる。
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.7

浮浪者が見世物小屋で雇われ、読心術を学び、それを利用し大金持ちになろうとする話。

ギレルモ・デル・トロ監督作品。デル・トロ監督として初めて超自然的フィクション要素が無く、奇妙な造形のキャラも出てこな
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