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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのあのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

作中作を扱う作品は、どこまでをその作品の外殻と捉えるか、で解釈の仕方が変わってくる。流石タランティーノ監督の構成力、物語の順序を並べ替える意外にこういうのも出来るのね、と感心せざるを得ない。

ラストの爽快感が言わずもがなだが、物語の流れとしては突然に荒唐無稽、かなり暴力的な内容になる(仮に火炎放射器があったとて放送当時から何年経ってるのか、使えるわけがなし)。ただ、主人公が隣人と近づく切掛をあの事件が担い、また物語上ヘイトを買っているヒッピーを見事に打ち負かすカタルシスを視聴者に与える。こここそがこの映画最大の見せ場なのだ。
かつてのテレビスターが見事に活躍し、(今が全盛期の隣人とお近づきになり)キャリアを再建していく。そして、別れる事を決めかけていたかけがえのない親友と、改めてその友情を確かめ合う。きっともう少し長い間一緒にいることができる。

『ワンスアポンアタイムインハリウッド』という作品は、現代的な映画の形態をとりつつ、作品内世界の当時に放送していたような"ノリ"の物語を形にしたものだと思う。
結末に向けてあらゆる場面が効果的であり、場面によっては物語の方向性自体のミスリードとしても上手く働いている。

「半年後」の場面からは、何か起こるのではとドキドキしながら見てしまったが、ある意味で、最もラストが予想できなかった映画だった。良い映画見れたな〜という気分!
あ