ゆっけ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのゆっけのレビュー・感想・評価

4.5
こういう"世界"を見せられる映画って素晴らしいなぁって思いました。

ディカプリオやブラピって歩くだけでなんでこんなにかっこいいのか。
プールで寝転がったり、カフェで本を読んだり、タバコ吸ったり、飲んでたカップをその場に捨ててしまうシーンでさえかっこいい。

その反面、前日にお酒を飲みすぎてセリフを忘れてしまい、不甲斐ない自分を「このアル中野郎!」など罵るだけのシーンを長々と見せられたり。最高にお茶目ですよね。このシーンめっちゃ好き。あと小さい女の子に慰められるのも。ここ感動します。

そして、ブラピですね。プラピファンはたまらないんじゃないでしょうか。かっこよすぎて嫉妬します。。

愛犬ブランディに餌を与えるシーンまでかっこいいの。そのブランディの忠実ぷりというか、ヨダレを出しながらちゃんと待っている姿が最高にキュート!(パルム・ドッグ賞を受賞したみたいです)あの「よし」と言わずに合図するやつ、あれかっこよすぎです。やりたい。。

マーゴット・ロビーを演じたシャロンもいい。映画館で自分のシーンを再現したり、周りの観客の様子を伺ったり、かわいいじゃないですか。

正直2時間は、退屈なシーンばかりなのですが、どれも頭に残る印象深いシーンばかりだからすごい。

最後の最後はやっぱり、タランティーノ節が加えられます。そこは裏切らない。すべてなにかの伏線かもしれないし、そうじゃないかもしれない。日常なんて他の人から見たら、退屈そのもので劇的な瞬間というのはそれこそ一瞬なわけですが、その日常にこそ、その人らしさが詰まっているというか、うまくまとめられないですが、振り返ると、いいシーンが多かったなぁと思いました。

once upon a timeとは「昔々〜」という意味で、よくあるおとぎ話の導入に使われるもの。1969年にハリウッド女優シャロン・テートがカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーに殺害された悲惨な事件をタランティーノ監督なりにアレンジしています。

そんなに詳しく知る必要はないと思うのですが、公式ホームページに説明がちょっと書かれているので、それだけでも読んでから映画を観ることをおすすめします。歴史を知っているからこそ、"それ"が近づくにつれて、ドキドキしますし、知らないとこの映画のやりたかったことが全く理解できないと思います。

「10作品撮ったら、劇場映画の映画監督としては引退する」と公言しているタランティーノ監督の9作品目。
歴史を題材にしたということでは、ナチス・ドイツを描いた『イングロリアス・バスターズ』とちょっと似ているかな。今回もナチス出てましたね。ナチスとウェスタンは監督お気に入り。

監督の映画は会話多いし、よくわからないシーン多いので、この映画も最後の最後まで退屈なので観る人は選ぶかもしれません。だけれども、最後まで観てから、今までのシーンを振り返るとなんて意味のある良いシーンが多かったかを気づける。

2回観たときにこそ感動する系の、なんともめんどくさくて、愛くるしい、そんな映画でした。

(観終わった後、もやもやはすると思うので、人におすすめするかと言われたら、おすすめはしません。)
ゆっけ

ゆっけ