Train

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのTrainのレビュー・感想・評価

4.9
ラスト13分じゃねえよ。ラスト159分だよ!なんて広告見るたび言いたくなるけど、「奇跡が起こす」はあながち間違いじゃない。それはラストの話ではなく、自分の映画人生においてのこと。映画への愛が一層深まる一本となった。
実は昨日すでに鑑賞済みだったのだが興奮が覚めず今日もまた劇場へ。パンフ購入もしばらくぶりな気がする。

タラちゃん映画史上最も愛すべきキャラクター登場。最高に茶目っ気あるリックとタイラー・ダーテンと並ぶカッコよさのクリフ、そしてキュートすぎる天使シャロン。その3人の日常を切り取るだけで見応えあるドラマが完成してしまう。タラ版けいおん!という言うべきか。

チャールズ・マンソンとそのメンバーからかるマンソンファミリーについてはタラ過去作のビルやハンス・ランダ、カルビン・キャンディよりも印象は薄く登場シーンも少ないが個人的には正解だと思っていて同じ歴史モノのイングロリアスバスターズやジャンゴみたいに復讐がテーマではなく、あくまで今作は落ち目俳優の再起と多くの人が知ることのないシャロンという人物の内面を描くことのが主題だから。

個人的にタラ映画の素晴らしいと思う所は「俺ってすごいんだぜ!こんな映画、あんな映画も知ってるんだぜ!」的な上から目線のシネフィルにならないこと。逆に「俺この映画めっちゃ好き!ここはこの映画からオマージュしたんだ。気になったら見てね。」と全ての映画ファンを彼は招き入れる。サプライズも英雄気取りでは絶対にやらない。今回は特にそんなタランティーノの優しさが垣間見れた気がして一層今作が好きになる。

タランティーノは丸くなったという意見もあるが自分にはタランティーノから映画ファンへのプレゼントに感じられてどうしても駄作には思えなかった。この思いを大切にしていこう。
Train

Train