このレビューはネタバレを含みます
タランティーノとレオナルド・デカプリオ、ブラッドピッドがタッグを組んだ作品。
落ちぶれかけている俳優と過去栄光を共にしたスタントマンとの絆を描いた物語。。。
いろんなシーンにて昔の映画の場面を表されたりと、映画愛がかなり強く表された作品であった。
今作ではレオナルド・デカプリオは44歳、ブラッドピッドは55歳という中年の歳であったのに、ブラピの肉体美は凄すぎた。ファイトクラブを思い出させる肉体で、むちゃくちゃカッコよかった。
しかし、豪華なキャストである分期待する気持ちが高まっていたけど、見終わった瞬間面白いや感動という想いは抱けなかった。
宣伝で強調されていた「ラスト13分の衝撃と感動」の意味も全く分からず、ただタランティーノらしいグロい描写が出ていたなとしか思えなかった。
何を伝えたいのか、なぜ評価されているのか。後で気になって調べるとこの映画には過去の事件を知る必要だったんだと気づいた。
1960年代のハリウッド、そして特に重要であったのが1969年8月9日に実際に起きた「シャロン・テート殺人事件」については知ってみるべき映画であった。
映画のラストシーンでは、リックとクリフによってカルト集団は無事に撃退されて物語は終わる。
しかし、現実ではリックとクリフは存在しておらず、1969年8月9日にシャロン・テートと合わせて友人5人がカルト集団に殺されてしまうのだ。
その事件をこの作品ではテーマとしており、映画のなかでは現実と異なりシャロンテートが生きるように描かれていた。
だから、主人公(リックとクリフ)ではないシャロンのシーンが細かく入れられ、8月9日の一日が細かく描かることでシャロンテートの悲劇の事件、シャロンそのものを強調させていたのかもしれない。
そして、ラスト13分の出来事によって悲劇の事件が起きない世界こそ、この映画の一番のテーマということに後から気付かされた。
タランティーノのインタビューを聞いて、もう一度この映画を見たくなった。
物語の背景や、製作者の意図を知ったり気づくことで、同じ映画でもより楽しめると改めて気づかされた映画であった。
兎にも角にもブラピはかっこいい!