タランティーノ監督に、まんまとしてやられた感じが清々しい。
ひと目見ただけでシャロン・テートとわかるブロンド美女が出て来た時点で、やっぱり落ち着いて座っていられない。
ワンコやニャンコが出て来ただけで、動物ラブな私は可哀想な目に合わないだろうかとソワソワする。ジョン・ウィックの例もあるし……。
極めつけが、主役なのに熊と闘って死んだり、主要人物なのに早々と首が締まって死んだりするブラッド・ピットが、マッチョで怪しいスタントマンを演じていて、チョ待てよ!と言いたいくらい、嬉々として危険に身を投じるんだから、心拍数は上がる上がる。
喩えて言うなら、ダンケルクの心音が終始続くようで座席も微妙に揺れる。
一言で言うなら、嫌な肌触りの映画なんですよ。
ところが、ところがですよ、観終わったら速攻でもう一度観たくなる中毒性。
とってもとっても怖いラストなのに、全然爽快感とか無いのに惹き付けられる。
これは2度映画館に足を運ぶ勢いで、皆さんにオススメしたい怪作であります。
震えながら笑える愛すべき映画好きの為の映画でした。