ぺりこ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのぺりこのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

IMAXで鑑賞。
シャロンテート殺人事件を軽く予習してから望む。
まさか予習した方が良かったと思える映画なんて有るのだろうかと些か半信半疑で軽めの予習をしたが、これはラストにかなり響くものなので必ず予習した方がより楽しめる。いや、ラストだけではなくシャロンテートが出てるく度に切ない思いも足すと余計楽しめる。騙されたと思って予習して本当に良かった。助言して下さった方々に是非お礼を言いたいくらいだ、笑

映画の予告で流れていたレオナルド・ディカプリオ演じるリック・ダルトンのダンスシーンを観ただけでこれは観なくてはならない物なのでは?と思ってはいたが劇場で観て正解だった。勘が働くとはこの事だと褒めてやりたい、笑 劇中ではダンスシーンがかなり短くて残念ではあったが。

落ち目ではあるが元スターのリックとブラッド・ピット演じるクリフ・ブースの友情物語ではなく、たまたま歴史を塗り替えてしまった人達のお話。
リックは落ち目の元スターで、わりとクズで捨てられないプライドを持ったまま不器用に生きてる泣き虫な男。そんな彼のスタントダブルであり相棒であるクリフはどんな事があってもリックを見捨てたりせず、情に熱い男。喧嘩がかなり強く、犬が大好き。リックとの関係を見ている限り優しい男なのかと思いきやラストまで見た後にはクリフも割りとクズじゃないか、笑 と思える。

リックの家の隣に越してきたロマン・ポランスキー、シャロン・テート夫妻は華やかな未来しか見えないキラキラした毎日を過ごしている。まさにリックが望むような生活をしているが特に妬みはなく、逆にリックを新しい仕事へとやる気を起こさせる様ないい刺激を与えてくれた恩人だったのではないか。

史実に基くとシャロンテートは人違い殺人事件の被害者になってしまうのだが、予習をしていた私にとってシャロンの笑顔を見る度、切なさで心が押し潰されそうになって何度も涙をこらえた事か。自分の出演した作品を見る観客の様子を見たくなるのはよく分かる、でもこの後死んでしまうのかと思いながら見る彼女の笑顔ほど残酷なものは無いと思った。

リックの映画の撮影で出てきたルーク・ペリーに驚愕、相変わらずのカッコ良さに釘付け・・・。遺作だったんでしょうか。
同じくこの撮影に出てきた子役のジュリア・バターズが演技が上手くてびっくりした。おまけに可愛いし、将来有望でないかと。人一倍役者魂見せ付けてリックまで泣かせてしまって最強でした、笑 リックとの撮影シーンでリックのアドリブに対して笑ってしまっていて、ギャップ萌えしかなかった。

クリフが、出会ったヒッピー集団の牧場に行った際、車をパンクさせた彼もそうだけど全員クリフに殺されるのでは無いかハラハラしながら見てしまった。その位彼は強い。クリフの強さが化け物並みだったのでよく死人が出ずに牧場を去ったなと思った、笑 リックとの約束の方が彼にとって大事な事だったということなだけで彼等は命を救われたと言っても過言ではない、笑

リックとクリフの別れの宴の日とシャロンテート殺人事件の日がまさかの同日。
リックは自宅プールで大音量のヘッドフォンで優雅に寝そべっている。クリフはヤク漬けになりながら愛犬とお散歩。そんな中、シャロン宅に向けヒッピー三人がやってくるが、ここで方向転換してリックの家に。クリフが居るから大丈夫と思いきや、彼はラリってしまっている。見てるこっちはどうなってしまうのだと思いながら手に汗を握る。クリフはラリっていても強いし、愛犬も更に強い。ここでヒッピー達の殺られ方を観るとイングロリアス・バスターズを思い出してゾクゾクしてしまった。残虐過ぎて、最高です。ありがとうございます、笑
こういうシーンは映画でないと出来ないし見られないものなのでフィクションだから唯一見ることが出来るもの。それを映画として興してくれるタランティーノ監督にお礼を言いたい。クリフと愛犬の強さを堪能したところで死に損ないがリックの居るプールに向かい、まさかリックが殺され・・・と思わせ、昔撮影で使った火炎放射器を倉庫から持ち出し、放出するリックが息の根を止めると言うほぼコメディで閉めたラストに笑わずにいられなかった。散々リックの家で大騒ぎした横でシャロンがリックをホームパーティにご招待し、リックもそれを受けてすんなり幕を閉じるという。
悲しい史実をコメディでぶっ潰した作品に最高の拍手を送りたい。涙を堪えた瞬間はなんだったんだと、笑
久々にまたちょくちょく見たくなる作品に出会ったなと思った。

エンドロールでリックのレッドアップルのタバコのCM撮影シーンが面白かった。ああいうエンドロールにしてくれると最後の最後まで楽しめるからお得感が増す気がする。

チャールズ・マンソンがちらっと出て来て居たけど、標的が引っ越していたことは本当は知っていたのか、謎。

最後に一言、ブラピの身体惚れる。
ぺりこ

ぺりこ