カノス年間100本観たい奴

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのカノス年間100本観たい奴のレビュー・感想・評価

4.7
シャロンテート事件を頭に叩き込んで鑑賞。
悲劇のヒロイン、シャロンテートの最後をどう描くかにフォーカスして見始めました。

1969年のある数日間を描いた物語。
ストーリーはない、でもずーーーっと見所。ずーーーっと見所なのに、それでも最後にピークがきますよ。

クリフブースよ、
何故屋根の上で脱いだのか、サービス?
なにか達観したように黒子を請け負う男、ブルーの車をかっ飛ばすブースにあんたが主役だと言いたい。ブルース・リーを車に投げ飛ばすシーンは私は大好きです。格闘能力もリーと互角の強さみせる。ここで最後のあの強さの信頼度アップ。1人でヒッピー牧場に乗り込むシーンはめちゃくちゃ怖い。あれはホラーかスリラーか。ファイトクラブクラスにかっこいいブラピを堪能できます。

シャロンテートはほぼセリフなし。健気で無垢で可愛い、生きて踊るシャロンテートを見ているうちに最後に訪れるであろう悲劇を想像して不安になる。セリフがほぼないのにしっかり存在感残すこの役はマーゴット・ロビーで大正解。しかし、なんであんなに足の裏が黒いのか。

リックダルトンは、落ち目の上にメンヘラの斜陽な役者。これから始まるテレビ時代を目前に仕事がテレビばっかりで終わりだと嘆く。未来と才能のある子役に賞賛されるシーンは良い。最後は門の中に、そこは地獄か天国か。ダメ男を演じるディカプリオは最高。

3人の登場人物を中心に、
生と死のギリギリを感じながら進行していく、最後はドキドキ。

映画史に対する敵討ち。
事件への怒りを何度も何度も容赦なく叩きつけるラストシーンは圧巻です。

人を選ぶ映画ではあります。