ゆうゆう

男と女、モントーク岬でのゆうゆうのレビュー・感想・評価

男と女、モントーク岬で(2017年製作の映画)
3.3
「男はフォルダ保存、女は上書き保存」
よく言われているけれど、上手い例えだ。
恋愛に対する男女のスタンスは確かに違う。
私は女なので女性側のことしかわからないけど、こう思う。でもこれはあくまで自分が相手をフッた時だけに当てはまる例えだ、と。
相手に想いがあるのに別れることになってしまった、フラれてしまった場合は、とても上書きなんて出来やしない。ファイルをゴミ箱には入れたけれど、そのゴミ箱は消去できない。いや、消去する術を知らないのかも。

この映画を観ながらそんなことを考えた。これは大人の、それもどうしょうもない大人のための映画だ。

昔恋人だった二人。彼と彼女は長い年月を経てひと時を共に過ごそうとする。
男は失ったものをまた取り戻せることを期待して。
女は自分の心を過去の呪縛から解き放つために。

「手放した恋を今 / あなたも悔やんでるなら / やっと本当のさよならできる」
竹内まりやの曲”シングル・アゲイン”のこのフレーズが頭に浮かぶ。

自分をフッた彼が「後悔」という形で再び気持ちを向けてくる。
それは私が待っていたこと。長いあいだ。
でも、私は彼を決して受け入れはしない。そうすることで、私は彼に対してずっと抱えてきたある種の怨念のようなものを手放せる。やっと過去から抜け出せるのだ。
苦しいけれど前向きな歌だ。今度歌おう。
ゆうゆう

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