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ヒトラーを欺いた黄色い星のniのレビュー・感想・評価

ヒトラーを欺いた黄色い星(2017年製作の映画)
4.5
こんな風にしてホロコーストから逃れた人々がいたのですね… 知りませんでした…
本人たちの強さはもちろん、そんなユダヤ人たちを匿ったドイツ人、本当に勇敢だし、素敵だった。
実際に逃れた方々のインタビュー映像と、当時の再現映像が交互にあって、映画としての没入感は減るけど、それよりも、これらのことは本当にあったと思わされるからより作品に重みと深みが増していて良かった。この映画には、数少ないヒトラーに加担しなかっただけでなく、ユダヤ人を匿ってくれたドイツ人への感謝と尊敬が詰まっていた。反対に、そんな勇敢なドイツ人がもっと多かったら、もっと助かるユダヤ人も多かったのだろう。ただ、これはほかの映画を観て思ったことだけど、戦争が終わるまでナチスによるユダヤ人の殺害が行われていたとは知らなかったドイツ人はたくさんいたらしい。強制労働だけだと思っていた人が多かった、とどこかで聞いたなり観たなりした記憶がある。もしその事実を知っていれば、助けた人はもっといたかもしれない。そう考えるとやはり無知は罪であるのかもしれない。これは「知らなかったから」と言って済まされることではないのだから。

そしてこの、「ヒトラーを“欺いた”黄色い星」という邦題、何なんだろう。欺いたのではなく、迫害から逃れたのではないのか。欺いたなんて言い方をしてしまったら、まるでユダヤ人の方が悪いかのように聞こえてしまう気がするのは私だけなのでしょうか…
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