りょ

ヒトラーを欺いた黄色い星のりょのレビュー・感想・評価

ヒトラーを欺いた黄色い星(2017年製作の映画)
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ベルリンに潜伏して終戦を待った4人の、インタビュー映像とそれに基づく再現が同時進行で流れていく映画。
みんな当時20歳前後で、それぞればらばらの潜伏をしていて、
身分証を偽造して稼いだり
髪色を変えてドイツ人になりすましたり
ドイツ人の義父のつてで知り合いに匿われたり
家族とともに、時にはぐれて潜伏したり。
みんな「これが永遠であればいいのに」と思うような安定した瞬間と、その安定が崩れる瞬間があって、それが本人の口から語られるものだからドラマチックな演出じゃなくて本当に本当の体験なんだってことを突き付けられる。

すごく誠実に作られてるなぁって感じた。同情心を煽るでもなく、淡々と、でも4人に寄り添って作られているのがすごく好感がもてたし素直に受け入れられた。

4人は何度も危険な場面にあいながらも生き残ってこうして証言を残してくれているんだけど、
潜伏を試みて生き残れなかった人達っていうのは同じように危険な場面に陥って救われなかった人達なんだと思うとすごく胸が締め付けられた。多分生き残った人とそうじゃない人てそんな差はなくて、ほんとにちょっとしたタイミングとか巡り合わせしか違わなかったんだろうなぁ、て。
なんかそういうことを思うと、自分が4人と同じくらいの年齢なこともあってすごくすごく辛くなった。
ほんとに、この幸せをありがたく思わなきゃばちがあたるし、ちゃんと今の時代に感謝して生きていかなきゃ。

はらはらを求めるなら他の映画でよい。
触れやすいドキュメンタリーとして良作だと思う。


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