かぴばる

グッバイ、リチャード!のかぴばるのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
4.3
 予期せぬ余命半年を宣告された大学教授がより良く生きる話。

 まず、主人公リチャードを演じるジョニー・デップの演技がとても良い。ジョニー・デップは何をやらせてもジョニー・デップだなと思うことがあるが、珍しく一般人を演じている本作は元々の個性がいい具合に出ており、優れたバランスを感じた。それにしても顔、違いすぎて全然わからん。

 余命を宣告されて好きに生きるタイプの作品は少なくないが、本作はR15に指定されているだけあり、ドラッグに酒にセックスにとやりたい放題に生きる。日本人としては共感しにくいところもあるかもしれないが、そもそも安直に共感できる設定ではないので、そこは仕方がない。しかし、その共感しにくい部分を丁寧に伝えてくれているので、この短い尺の割にとても見ごたえがあった。

 生きたいように生きる、一瞬一瞬を豊かに生きるというのは並大抵のことではない。一日だけなら簡単だが、必ず勘定書きが回ってくる。死を意識して生きるといっても、基本的にはあと何十年か生きる(生きなきゃいけない)想定で動くので、そんなに無茶はできない。それでもまずは意識から変えていくのが大事だよね、という。そんな教訓。