大学で英文学の教授を務めるリチャードは医師から末期がんで余命半年である事を告げられる。
これまで“正しく”生きてきた彼は残りの人生を自分に正直に生きる事にする…というお話し。
人はみんないつか自分が死ぬという事は知っています。
だけどそれは頭で判っているというだけで、本当に自分が死ぬという事を実感として解っている人は少ないのではないかと思います。
だから、ずっと続く人生を出来るだけ摩擦なく、失敗がないように“正しく”“良く”生きようとしてしまいがち。
そうしていつの間にか周囲に迎合し、自分の本当の気持ちを押し込め、人から見て良いと言われる様な生き方を選択し、その傍らで本当に大切なものを手放してゆきます。
でもいつか、もしかしたら近いうちに自分が死んでしまう時にこの世界と人生に「グッド・バイ」と言えるには“グッド・ライフ”が必要です。
人は産まれた時から常に隣に死があります。
それは何よりも身近な友達なのかもしれません。
だから彼を無視するのでも嫌うのでもなく、最も親しい友人の一人として共に生きる事で「グッド・バイ」を言える人生を送れるのだと思います。