麩

グッバイ、リチャード!の麩のレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
2.5
なんか全体的にキャラクターたちの欲求や行動が浅く短絡的な感じだったが
要所要所で良い言葉がある
あーこれを言いたかったんだろうというのはわかるが、あまりにもお前が言うか的なキャラクター達なため全く入ってこない

善く生きるとはただ醜悪なだけのありのままの姿で生きるということではなく自分のありたい姿へ向かい続けること、自分自身を諦めないことが必要だと思うが、
リチャードが最期を迎えるために起こす変化は悉く諦めに満ちてて、糞尿を垂れ流すみたいなしょうもなくてみっともない変化だった

リチャードは自分を裕福な白人中年男性だぞと言っていたけど
なんかそれの嫌なところを煮詰めたみたいな性格だな〜と思って主人公を好きになれず
「女の苦境は聞きたくない」と暴力的な決めつけでフェミニストの学生を冷遇するどころか、他の学生に「あいつと関わりあうな」と触れ回ったり授業中にタバコ吸うだけじゃなく授業をバーでやるとかそこの店員とセックスして戻ってきてそれを隠さないとか、え!?パワハラセクハラアルハラヤニハラ!?!?!?!ってなってしまった
女生徒とダンス踊る時背中を撫で回す手がキモかった
アカデミックな人たち、リチャードは英文学の教授として描かれてるけど私の知ってる脚本家や監督、作家たちの中でもずっとインテリと言われる層に属してきた人たちって
口では、作品では美しいことを言いながら、愛を相互理解を思いやりを人生の素晴らしさを描きながら、まったくもって他者に無理解で寄り添う気がない人間だったりすることが
よくあるなぁ〜〜
リチャードみたいな人を
何人も知ってるなぁ〜〜と思った
パーティーで「善く生きろ」って演説してたけど「人工授精で生まれた人間の名前は聞く必要がない」とほざく徹頭徹尾レイシスト側でハラスメント加害者側の人間が言えることかよ
自分が癌になってまず初めに起こる変化が「自暴自棄になる」だけじゃなく差別意識を前面に出し他者をいたずらに傷つけるっていうのが、きつい
ただただ関わり合いたくない人間だった

奥さんが威風堂々不倫してるのも理解不能だけど、それ以上に「自分は病気であり、今から死ぬために遠くへ行く」ということを知らされて1分で受け入れられる奥さんと娘、理解と受容の天才?なんか泣きながら抱き合ってグッバイとか言ってるけどそこに行き着くの早すぎん?なんでそんな秒で受け入れ秒で理解示せる?どんな家族?!?
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