SANKOU

アナと世界の終わりのSANKOUのレビュー・感想・評価

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
3.6
ゾンビ映画でミュージカルという異色作品だが、ミュージカルとしても曲はいいし、何より全員歌がうまくてかなりのクオリティの高さ、そして何よりゾンビ映画としての完成度も高いので話題性だけでない見所がたくさんあった。主役のアナを演じたエラ・ハントがキュートで魅力たっぷりなのが良かった。清々しい朝、軽快な音楽に乗せてアナが希望に溢れた歌を歌いながら道を歩く後ろで、次々とゾンビが人に遅いかかるシーンはセンスが溢れていて面白かった。ゾンビに街を支配されてもライアン・ゴズリングやテイラー・スイフトは生きているかという能天気な話題になるのもおかしい。ただ、緩いギャグ映画かと思えばしっかりとゾンビのグロいシーンはあるし、徐々に仲間が一人ずつ欠けていくシビアで衝撃的な展開が待ち受けている。ミュージカルという形をとっているので、凄惨なシーンもそれほど怖くはないが、前半素敵なコーラスを聴かせていたメンバーが一人ずついなくなっていくのはとても切なかった。最後までゾンビ映画とミュージカルの組み合わせがとても嵌まっていたのと、登場人物が全員魅力的でとても良かった。
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