サラリーマン岡崎

アナと世界の終わりのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
3.7
観終わった後の劇場で
多分授業をサボったと思われる男子高校生ふたりが「こんな感じで明日世界が終わるかもしれないから、俺はバイトしないわ〜」と話していた。
すごく若々しくて、気持ちいい発言だった。

こんな風に退屈な今とは異なる何か別の世界を求めているジュブナイルな時期。
ゾンビを通して、今の生活、特に家族の大切さを身に染みていく映画。

ゾンビという異世界であり、
自らが戦わなくてはいけなくなる状況で、
家族や友人も敵になるという設定で、
何もまだ世の中を知らない
思春期の反抗を描くのは面白い。

ゾンビへの対処方法やアクションはとても痛快で、
特にボーリングや簡易プール、シーソー、舞台セットなど周りにある様々なもので対抗していくのはアイデアが満載。
ゾンビ映画はこうやってどうゾンビを倒していくかがアイデアの絞りどころなので、今回もそれはとても良くアイデアを出している。
そうやって特に知識もない少年少女たちがあの手この手で自らゾンビを倒していく姿は彼らの成長を感じられるという点でも痛快。

ただ、僕がいつも感じているミュージカルが苦手な部分が露呈していた。
歌っている時はストーリーが進まない。
基本一言で済む感情を歌にしているからね。
だから、その時間こそが退屈に思ってしまう…。
そして、主人公と元彼は成長する過程がなんとなくわかるが、
もうひとりのレズビアンの女の子がこの経験を通して、何が変わったのかあまりわからなかった。

近年、とてもゾンビ映画が流行っているが、
こうやってアイデアがたくさん世界で沸いていることはとても嬉しいこと。
そして、ただ怖がらせるだけで終わらせないところもとても面白い。