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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のmiumiuのレビュー・感想・評価

4.8
公開初日に鑑賞。
その後リピートして今のところ字幕版を2回観た。

※この後思いつくまま感想書くので長いです。うっすらネタバレあります。


『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ最終章にして完結編。
今シリーズとジェームズ・ガン監督作品は大好き! 楽しみ!!
だけれど、クリプラへの熱が冷めつつあるのと、今作でMCUを離れるジェームズ・ガンがDCをどういう方向に持っていこうとしているのか分からないハラハラ感で、今作の公開自体そこまでワクワク出来ず……
それでも蓋を開けてみると、いちいち笑えて泣けて、愛すべきはみ出し者たちがたくさん居るいつものガーディアンズだった。
終始ワクワクして楽しかったー!! そして泣いた…! いつもながら音楽も最高だった!!

ストーリーの核となるのは、ロケットのオリジンストーリー。
そして1作目がピーター・クイルの「母」にまつわる話、2作目が「父」にまつわる話だとすると、今作は「家族同然の親友」の話だった。

会話のテンポがとにかく最高…!🤣
今作のMVPはマンティス&ドラックスのコンビ。特にマンティスは、今作ではスター・ロードに代わる、そしてロケットと並ぶ主役級の活躍と言っても過言ではないのでは。
彼女の良心的なキャラクターに笑って泣かされた。
あと泣けたのは、これまでひたすら攻撃的だったネビュラが、自分を良い方向に改造してくれたロケットへの感謝と友情を忘れないキャラクターへと成長してくれたこと。
それでもツンツンしているし相変わらず攻撃的なんだけどw
グルートも、反抗期を経てすっかり頼もしい存在になっていて胸熱。

新キャラクターでは、もともと好きなウィル・ポールターのMCU参加が嬉しい。
当然のごとく悪役キャラなのかな… と思ったら、子役時代からよく演じている
「表面上は悪いけれど、根は悪い子じゃないんです!!」
なキャラでめちゃめちゃ可愛かったw
ジェームズ・ガン監督、よく分かってるなwww
(とは言え、ウィル・ポールターの演技力は子役時代と比べてさらに成長していると思うので、チート的な能力だけじゃなく違う意味での見せ場ももっと欲しかったのが本音。)
あと新キャラクターではないけれど、コスモ可愛かった。めっちゃ犬なのに頼れる!!

表面上は笑える映画だけれど、今の時代に合わせたメッセージ性も強い作品だと思う。
多様性を認めること、ありのままを受け入れ相手を愛すること。
今作のヴィランのハイ・エヴォリューショナリーは、「完璧な創造物を作る」ことを目指すあまり、意にそぐわないものを排除しようとする存在。
一見サノスほどの巨悪ではないように見えるけれど、動機だけは筋が通っていたサノスに比べると、独りよがりな価値観で自分の認めない生命をあっけなく死に至らしめるところにナチスっぽさを感じてしまった。
(演じているチュクウディ・イウジ、シェイクスピア劇をやってきた俳優さんなんだね。あの狂気と、独善的ゆえに孤立していく様子を表す迫真の演技は確かにシェイクスピア劇っぽくてナイス・キャスティング。)

もし『アベンジャーズ エンドゲーム』がなかったら、ガーディアンズの最終章をどう描きたかったのかは、ジェームズ・ガン監督に聞いてみたいところ……
今作のピーターとガモーラについては、最終的にガモーラの意志に任せて未来を委ねる描き方だったのが良かったな。女性はたとえ相手に対する好意があっても、男性の願望に合わせて都合よく動く訳ではないので。

ジェームズ・ガン監督の最近の作品を観て思うのは、「もしや本格的な怪獣映画をたくさん作りたいのかな…?」ということ。
今作でもキモい生き物盛りだくさん、その中に怪獣っぽいのもいてグロテスク(本来の意味の「奇妙な」という意味)な描写がこれまでの今シリーズと比較すると多めだった。
今やディズニー傘下でもあるMCUで出せる、ギリギリな感じ。
グルートの「Kaiju」擬態は可愛かったけどw


最終章らしいラストだったね。
擬似家族でもあるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはより大きなコミュニティーになり、新しい仲間を加えつつ離れていく仲間もいて。
血の繋がりのない、見た目も性格も生まれもバラバラな者同士が絆で結ばれ家族になるガーディアンズが好きだった。
一方で「家族」だからこそ、常に一緒にいる必要はない。
自身の選択であえて離れて、新しい環境に飛び込んでもいい。
離れていても家族は変わらず家族。
そう言われているようなラストだった。

エンドロールはガーディアンズが辿ってきた軌跡を見せるアルバム形式みたいな感じで、こちらも胸熱で泣いたなあ。
ちゃっかり、ホリデースペシャルのケヴィン・ベーコンもいたのには爆笑した🤣


シリーズはこれで終わり。
ただ各キャラクターや新生ガーディアンズとしては、これからも他の作品に登場出来そうなラストで、今後が楽しみ。
愛されてきたシリーズと各キャラクターの旅路の終わりを最後まで描ききってくれてありがとう。ジェームズ・ガン監督お疲れ様! と言いたい最終章だった。
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