F亮

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のF亮のネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます


あー……うん。まぁね〜。フェーズ5だしね〜。予告編見ててもそんなにだし……。まぁ一応行っとくかー。

ぐらいのテンションで向かった僕がバカでした。

非常に!非常によかったです!

間違いなくMCUフェイズ4以降では最高傑作。遡ってインフィニティサーガ込みでもベスト10には入って良いんじゃないかな。
それはもちろんココまで積み上げたキャラへの思い入れや、好みの作劇が多分に含まれているのは認めるとこはあるのだけど、それにしたってコレは……。
だって、MCU作品でこんなにキッチリ自分たちの作品ナンバリング内で良い感じの"卒業"をさせて貰えた作品なかったじゃん!
アイアンマンはリアクターを外しても戦線離脱はせず、キャップはお尋ね者化よ!?
ソーは「まだまだ戦います」って感じだし、アントマンは終わってるのかよくわからないし。
要するにMCUのキャラは基本的にアベンジャーズシリーズというお祭りの中でしかそのキャラクターアークを完結させることができなかったわけ。お祭りなんだから当然キャラに割く時間は少なくなる。
(それでもしっかり時間をかけた事で、アイアンマン・キャップ辺りの行く末には感動できたのが凄いのだけど)

なのに、150分近くかけて、コレまでキャラクターを作ってきた人たちの手でキャラクターの成長を描ききられる快感……。作品として当たり前のことなのに、MCUというコレまでそれをキチンと描くことが興行的な事情でできなかったコンテンツのフィルターを通してみると異常に感動的。

加えて、個人的に大好きなヒロイズムがしっかり描かれていたのも大感動ポイント。

僕はヒーローが敵を打倒する瞬間よりも、ヒーローがその善性を発揮する瞬間が好きなのですが(というかそれがなきゃヒーロー映画見てる意味ないよね)、例えばそれは主人公が理不尽や邪悪な価値観への対立を決意するシーンだったり、立ち向かうために歩を進める瞬間だったりするわけです。

それがこの映画にはある!それも、それまでは仲間を助ける為に行き当たりばったりでアホな珍道中を繰り広げていた連中がついに全員揃った瞬間なのだから感涙は必死。
彼らは全員揃って1つのヒーローなのだと、そう言う事ですよね。個人個人はロクデナシでバカでアホで、なんだったら正義とか考えていなくても、総体として正しいことをしに向かうことができるのが素晴らしいって思える瞬間が僕は大好きです。

そこから繋がるシーンがコレまたMCU最高峰のアクションシーンというのも大加点ポイント。あそこだけ見たくて2回映画館行っちゃったもんね。

ハイエボリューショナリーの悪逆非道をキチンと描いてくれていたのもよかったのかも。おかげで、コイツだけは許しちゃおけねぇ!やれー!ガーディアンズ!って気持ちになれたし。そこはガン監督に上手くコントロールされちゃった感ある。

でも、スターロードがあのマスク全然使わないのは気に食わんぜ。あのマスク一つで切り抜けられたピンチがあるだろうに。そこだけは勿体無いと思うぞMCU。

でもトータルで見たら大満足の1作。10年前ガーディアン1作目を劇場で見たことを思えばずいぶんあっと言う間出来事だった。
F亮

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