タツキ

トゥルー・ロマンスのタツキのレビュー・感想・評価

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)
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人生の一本なのでいろんなことにムカついた時に大体見てる。

小6の時に初めて見た時、映画に共感したことなかったし、映画に共感なんて微塵も求めてなかった自分はクリスチャン・スレイターに凡庸に共感した。自分も誕生日に映画を見に行こうと決めた。

トニー・スコットの演出は今見るとタランティーノの脚本に謙虚なんだなと思う。以降のスコットの映画ほどパワフルさを極めてない。凡庸にパトリシア・アークエットの惚れた表情を撮るし、凡庸な切り返しでホッパーとウォーケンの死に向かっていく対話を撮る。その凡庸さこそが美しいのだ。

元の脚本では、二人がホテルの撃ち合いで死ぬ結末だった、というのは有名な話だけど、自分は、アークエットはガンドルフィーニに本当は殺されてるんだと思ってる。スレイターも彼女が殺された後、部屋に入ってきて、ガンドルフィーニを殺すが、もうすでに手遅れの彼女を、例の空港の脇まで連れて行って、彼も自死する。それ以降が全て夢だからこそ、迎えられる荒唐無稽な展開とハッピーエンドな気がしてならない。
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