あつし

ひとつのバガテルのあつしのレビュー・感想・評価

ひとつのバガテル(2015年製作の映画)
4.0
清原監督の長編作品を観ましたが、本作は一番、音楽(というより音)の映画でした。
全作を通じて、特徴的な音楽や粘着的なまでの音が魅力的だと思いました。

それと、作品の冒頭を飾る八百屋のりんご。
作品の最後でも、押入れの横へ転がっていくりんご。
りんごは、色んな意味を持つと思います。
そのりんごが、本作では何を意味するのかなんてことを並列的に考えながら鑑賞していました。確信的なことは分かる必要もないのでしょうが、「りんごという名の心」だったりするのかもしれないなと思っていました。

今作でも、団地の部屋で聞こえるはずのない音が聞こえてくるシーンがありました。
あの、部屋に確かに存在している、見えも聞こえも触れもしない何か、「過去の出来事」的な積み重ねを大事に思っているのだろうというのが伝わってきた気がしました。
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