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キンキーブーツのoukayukaのネタバレレビュー・内容・結末

キンキーブーツ(2005年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ロンドンから100kmほど離れた地方都市ノーサンプトン。そこで急死した父の跡をついで家業の靴工場の四代目社長になったチャーリー。ところが紳士靴専門の会社は需要の減少によって倒産寸前で、早々に社員を何人もリストラする羽目に。

「すまない。でも私に他に何ができる?」と漏らすと、ひとりの社員が反論。生き残っている会社はニッチ市場を確保している、やれることはあると。
その少し前にひょんなことから知り合ったドラァグクイーンのローラが窮屈そうに女物のブーツを履き、すぐヒールが折れてしまうと愚痴っていたことを思い出す。

彼はローラにブーツを作らせてほしいと頼む。しかし暗い赤に太いヒールの試作品は、セクシーじゃないと履くまでもなく却下されてしまう。今度はローラを工場に招き、意見を聞きながら作っていく。最初は驚いていた職人たちも、だんだんとローラと打ち解けていく。

チャーリーは紳士靴をやめDQ用のブーツを会社の主力にすると決心。自宅を抵当に入れて資金を作り、そのブーツでミラノのショーに出品するという大きな賭けに出るが…。

実話が元になっており、劇場公開当時は日本でも大ヒットした作品。作中に取り上げられているようなショーを生業とするドラァグクイーンだけでなく、女装者やトランスジェンダーを入れればニッチ市場とはいえ占有できればビジネスとして有望そう。

成功の要因は、成り行きとはいえローラと職人たちが顔を突き合わせながら製品を作り上げたことだろう。作り手は製品に詳しいのは自分たちだという自負から、こういうのがいいだろうと自分たちの考えを押し付けてしまいがち。作り手と消費者の距離は近いほどいい。

脚本の不満点。ハリウッド映画の文法に沿っているのだろうが、自己中な婚約者とウダウダし続けた上、ローラに理不尽な八つ当たりをしてショーが危機に陥るくだりは無理やり過ぎていらなかったと思う。
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