YutaTakaue

HOSTILE ホスティルのYutaTakaueのネタバレレビュー・内容・結末

HOSTILE ホスティル(2017年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

イメージフォーラムでは少し異質な作品。全体的に漂うB級感は拭えないですが、事故を起こすまでの冒頭の荒廃した世界観は中々の雰囲気。マッドマックスと言えばそれまでですが、車内の埃っぽさとか鉄の錆びれた感じとか、シチュエーションは少ないながら作り込みの細かさが伝わってくる。冒頭のトレーラーハウスでの戦闘は、敢えて車内の状況を見せず、音とワンカットのドリー撮影で見せているのが恐怖感が伝わり印象的。
しかし、横転してからの、怪物との攻防は頻繁に過去のドラマがフラッシュバックして見辛くテンポが悪かった。
ドラマパートは、主人公と夫の出会いから結末に至るまでお互いの性格を丁寧に掘り下げ描いていたり、何より主人公の自分勝手な態度を受け入れ見守り続ける夫の人柄の良さには胸が熱くなりました。あと、この映画は日本の宣伝が致命的に悪い。ポスターを見ればこの映画の結末が一発で分かってしまう。宣伝のせいで「どうせ○○○なんでしょ」と怪物の正体が分かって観てるぶん、ホラー要素も台無し。
横転した車内に立て籠って怪物に応戦するシチュエーションは緊迫感があるからこそ、ネタバレポスターとドラマパートが足かせとなり非常に残念でした。
宣伝担当は、海外ポスターが意味しているものをしっかり理解して欲しいですね。

過去に大御所監督の下で助監督を経験したという監督のマチュー・テュリ。今後も彼に要注目です!(ホラーパートの撮り方は上手いし、登場キャラクターの感情の描き方も丁寧で、今後大作映画に大抜擢されそうな予感がします。)
YutaTakaue

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