おそらくアスペルガーの、鬱による過眠症をもつ女性とゴシップ雑誌社で働く元文芸志望の男性の話。
映画には自販機、卵、窓、グラスや便器など割れるものが多く出てくる。
自分という殻をいくら叩いても叩いても割れると思ったひびがすぐにもどってしまうような歯がゆさ。
少しの希望につきまとうように蓄積されていく焦り、衝動、破壊。
この循環、みていてすっきりするんだよね。
それは趣里演じる寧子の衝動的な様がたまらなく美しいから。それに惹かれた津奈木の気持ちわかる。
こういうテーマのよくある路線(更生したり恋愛に落ち着いたり)を辿らないところに独特のつかめなさを感じられたのと、津奈木の元カノのイかれた面白さが効いているから浮き沈みのバランスがとれてて、意外と気分を選ばない映画だったなあ。