木曳野皐

生きてるだけで、愛。の木曳野皐のレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
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急に独りストリップを始めた時はどうしようかと思ったけど最後の趣里ちゃんの熱演には泣けた。(ここに共感出来ない人は多分まともな人間or感受性が豊かではない)
生きていくことは難しすぎる、恋愛が混ざってきたら尚更。

最初からイライラさせてくるのだ、趣里ちゃんが。(演技力を褒めてる)
もうイライラしかない、世の中の女が全てこんな情緒不安定だと思われたら堪ったもんじゃない。(演技力を褒めてる(2回目))
だけどなんでイライラするかって痛いくらいに寧子の気持ちが分かるから。
自分に振り回される自分にイライラする、いいよなぁお前は私と別れられて、私は私と分かれられないのに。離れられないのに。本気でぶつかってくれる相手を求めている自分がウザい、面倒臭い、でも相手に面倒くさがられるのも面倒くさくて泣きたくなる。面倒くさがられたくないのに、自分が他人に求める事は面倒臭い事ばっかり。バイト先の皆が優しいだけに、少しでも他人と違うところがあると不安になる。全部バレる、わかる。優しくされた分を自分は他人に返せないし、自分は違うことを思い知らされてしまう。痛い、胸が痛いよ。他人にとっての『たかが』が自分にとっては『たかが』じゃない。だいぶ大きな問題になる。泣きたいよ。私だって大きい声を上げて裸で泣きたいよ。
寧子の吐き出せない感情に吐き気を感じるほど共感して私の心が泣いた。



この映画には恐ろしい程backnumberの「fish」が似合う。
“私のスカートが 青く揺れている
終わりの言葉に 怯えているのね”
木曳野皐

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