寧子や津奈木を見ていて不愉快だった。
特に寧子に関しては、姉ではないが甘ったれてんなよと他人事のように感じていた。
けれど、やっていることは過剰ではあるが彼女を見つめていくにつれ、同時に自分を見ていた。
他人に見せないように努めている、死んでほしい自分の一部を。
周りに見抜かれているんじゃないかと思うという寧子の台詞は、10代の頃に恐れていたこと。
久しぶりに、他人が発した言葉として聞いたら、今でも恐れていることと気付いてしまった。
自分がどんなにイヤでも情けなくてもウンザリ野郎でも、生きてるだけで本当に疲れても、死なない限り離れられない。死んでも離れられないかもしれない。
じゃあどうすればいいのか。
その答えは、この映画はハッキリ示してはいない。
タイトルの意味もわからなかった。
ただ、内容も、タイトルも、訳なくエモい。
このエモさだけて前を向ける気になった。
作品詳細ではラブストーリーと書かれていたけれど、ラブストーリーという側面はそんなに見えなかった。ただひたすら寧子の生き方を見せつけられていた。
もしかして、タイトルの言葉は津奈木が寧子に対して語りかけているのかな。だとしたら…これはエモーショナルなラブストーリーだ。