福福吉吉

殺人者の記憶法:新しい記憶の福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
かつての連続殺人犯キム・ビョンス(ソル・ギョング)はアルツハイマーによる認知症を患っており、随時、録音して記憶を繋ぐ日々を送っていた。ある日、ビョンスは警官のミン・テジュ(キム・ナムギル)と対面した際、テジュが連続殺人犯であることを見抜き、警察に通報するが取りあってもらえない。そんな中、テジュはビョンスの娘ウンヒ(キム・ソリョン)近づいてくる。テジュもビョンスが殺人犯であることを見抜いていた。

前作「殺人者の記憶法」は観ていません。

ストーリー展開は、主人公のキム・ビョンスは記憶の喪失や混濁を度々起こすため、事実が把握しにくい部分がありますが、本作の場合、そこが一番面白いところになっているので、何が事実なのかをじっくり考えながら観ることが楽しかったです。

自分が元連続殺人犯だから、同じ連続殺人犯を嗅ぎ分けられるというビョンスの設定は突飛なものを感じますが、ビョンスがミン・テジュと初めて対面した際、手際よく証拠を収集して判断しているので、説得力がありました。

そして、ストーリーを面白くしているのがビョンスに度々起こる記憶喪失であり、顔がぴくぴく痙攣し始めるとコロッとそれまでの記憶が無くなる様子は観ていて何度も焦らされて、先への期待と不安を感じさせる内容になっていました。

本作のキー・パーソンであるミン・テジュは警官という立場と冷静沈着な性格で、ビョンスの追及を見事にかわしていき、勝てる気がしない強敵感に満ちていました。それでいて、隠された殺人への欲望が垣間見えるときの狂気が見事に描かれていました。

終盤のウンヒを巡るビョンスとテジュの攻防は緊迫感に溢れていて見入ってしまいました。本当にウンヒが可哀そうに感じて切なかったです。

前作を観ていないので、どう変わったかは分からないですが、ラストはかなり衝撃的でした。私としてはとても面白かったです。

終始、気持ちが揺れ動かされるシーンの連続でとても面白かったです。

鑑賞日:2022年12月7日
鑑賞方法:スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS
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