もんてすQ

父、帰るのもんてすQのレビュー・感想・評価

父、帰る(2003年製作の映画)
3.9
これは恐ろしい映画だ

パッケージの睨むような少年の表情と『どうして今さら帰ってきたんだ』というコピーに惹きつけられ、ずっと気になっていた作品

先日観たフランス映画「赤い風船」は幻想的で暖かい映画だったが、こちらはその正反対の映画だ

こんな鋭さのある映画を作るのは、日本はおろかアメリカやヨーロッパでも無理なんじゃないかと思った
これを鑑賞する人間は、映画の最後まで銃を突きつけられているかのような緊張感を味わうこととなる

「フルメタルジャケット」の鬼教官のような父、意志薄弱な兄、反抗的な弟
異常に厳しい父と、いちいち頑固な弟のやりとりにハラハラさせられた
私が事なかれ主義の日本人だから鑑賞のストレスが大きかったのだろうか

ストーリーは、ロシアという国の歴史と宗教を抽象的に表した内容とのこと
特にロシア正教とソヴィエトの崩壊前後がメタファーとなっているそう

この映画が評価されるのは理解できるし、ヴェネツィア国際映画祭で賞を獲得するのも当然
しかしながら、とてもショッキングで好きにはなれなかった作品である

弟役が「シックスセンス」のハーレイ・ジョエル・オスメント君に似ていた
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