きむら

愛しのアイリーンのきむらのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
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原作未読
新井英樹さんの作品すら読んだことない。読みたい。


母のエゴによって去勢された岩男
母のエゴ?によって岩男と結婚したアイリーン

前半すごい美しかった、言葉が少しづつ通じていくことが2人の距離の縮まりに見える。ただし一番美しいシーンでは恐らく言葉は通じていないが、何か2人が繋がっている。
あなたの幸せがわたしの幸せってマジで言えるの本当に羨ましいな。。。

伊勢谷友介を撃つシーンで、それまで去勢されていた岩男は勃起する、というかファルスを回復する。
ここまで本当に物語として良かった。残り40分くらいあるのだけど、正直見たくなかった。


岩男はずっと勃起しちゃうけど、トラウマを抱えて神経症的になってアイリーンを抱けなくなる。
最終的には自分のファルスと向き合うことができなくなってしまったのだと思う。

そして主人公がアイリーンに移り、嫁姑問題になる。
わたしだったらブチ切れそうなことたくさんあるのにアイリーン投げ出さなかったのは偉くて、多分エゴの連鎖を自覚してて自分で食い止めることを引き受けたのだと思う。

原作では子供を産んで暮らすらしいが、映画でそこを曖昧にしたのは交換による物語のダイナミズムを消したかったのかな、と宮台真司評を読んでみたりして気づく。

他の人たちもなにかしら神経症的だけど、まぁみんな神経症だしな、、、
交換、剥奪、贈与、を一纏めにするエゴがダイナミズムになっていた。
きむら

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