面白い構成になっていると思うが、文化背景描写に執拗さを感じないので、監督は伝統的なイラン人じゃないなあと思いながらみた。後で調べたら、テヘラン生まれの西洋かぶれ（好き）の父親で裕福な家庭に育ち、カトリックの寮生の学校に行き、大学はアメリカのカルフォルニアバークレー校に通って、そのご1990年、ホメイニが他界するまで米国に住んでいた人らしい。


映画のニュースでは1950年以降のシャーが政権を取る時代。その当時の首相の名前はモサデフ（Mossadegh ）首相を支持する国民で、英国排斥。なぜかというと、当時英国がイランの原油の利権を取ろうとして国民が英国の傘下に置かれるのを反対しているしデモ。アメリカ政府はMossadegh 政府に圧力をかけている。シャーはMossadegh 政府をけって軍部のザヘディ（Zahedi） を首相にする。（私の理解が間違えていなければ。。。）このイランの政治動乱のなかの、数人の女性の人権に焦点を当てている。

１）社会の動きに興味があってラジオをよく聞いている女性、ムニスの兄は結婚させたがるが興味がなく、自由を奪い取られ自殺を図る。
２）夫が軍の大金持ちの婦人は、夫と意見が合わない。以前の中のいい男友達、アバスに、まだ歌を歌っているか？詩を書いている？などと質問されるが、自分は当時の夢を全て失って、夫に支えてきたが、それに疑問を持つ。
３）ファイザーFaezehはムニスを探しに男だけ集まるバーに出かけて、『そこには入れないよ』とムニス（死んでゴーストになっているから他の男からは見えない）という。でも、ある二人の男はそのバーから出てきて、この女性ファイザーFaezehを強姦する。（なぜそうなるかわからない？）ムニスの兄に惹かれているが、兄はファイザーを二番目の妻に迎えたいという。それに、ベールは？祈っているか？何歳か？などとモスリム の女性を期待するが、全てに、異議あり。
４）外国人？の女性、ザリンは娼婦で、やりたくない仕事を強制されている。

婦人のアイデアで彼女の買った果樹園でパーティーを開く。パーティーはイランの伝統的な楽器を使う。そこで、ムニスの兄はファイザーFaezehに
『女性の体は花のようで、一度咲くとすぐ滅びてしまう。』と。次から次へと男は花を探して何度結婚してもいいという意味だと思う。それに、女は花の時期を逃すと『男のいない女たち』になると皮肉ってると思う。

果樹園に来たのが軍隊、コミュニストとMossadegh の支持者を探しに、でも、食事を。果樹園の持ち主や客はシャーの支持者でコミュニストではないと。

イランの伝統的なギターや歌を歌うシーンがあるがこの部分には字幕がない。字幕なしに異文化の、それも、シャー政権にうつるという1950年代に焦点を当てるなら、文化の説明にも何か配慮が必要。伝統的なペルシャ文化ほど、エレガントな文化はないと思っている私なので、詩歌、音楽など理解したかった。特に、婦人が独唱する歌詞を知りたかった。　政治的なことはかなり説明されていて、いいと思う。

この映画でイスラム教の世界では『男のいない女たち』は生き辛い。その後、シャアー政権が打倒され、イスラム原理主義、ホメイニ政権になってから、もっともっと、拍車がかかってきたわけだ。自分が自分でいられないことほど、生きにくいことはない。自分を持っていない人にとっては気にならないだろうけど。でも、そういう人も自分は誰かと考えてほしい。

☆ ドラマ

• #撮影MartinGschlacht
• #音楽RyuichiSakamoto
• #編集GeorgeCraggPatrickLambertz
• #編集JayRabinowitz
• #編集ChristofSchertenleib
• #編集JuliaWiedwald
• #衣装ThomasOláh