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来るのamadadaのネタバレレビュー・内容・結末

来る(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

日本映画史上最高にゴージャスな除霊ホラーです。

米国ではお金を掛けて作られる事の多いこのジャンルですが、日本ではこれまでほとんど無かったように思います。ニッチな所ではNEOさんとか工藤さんとか居ますが、本作の除霊師琴子さんのような強キャラが活躍するお金の掛かったホーは今まで無かったように思います。

さて、物語は子供を中心に、妻夫木くんのパパ篇、黒木華ちゃんのママ篇、岡田くんの他人篇の3視点から描かれます。
3つの視点を通じて子供に憑く霊の真相が見えてくる仕掛けになってます。

最初は山の怪の類の地縛霊かと思わせつつ、ストーリーが進むに連れて、過去に口減らしのために殺された子供達の思念が関与している事が示唆されます。
そしてこの霊の正体を通じて、現代の育児放棄問題や家族の在り方を視聴者に問うてきます。非常に社会的な内容で、中島哲也監督がほんとに描きたかったのはこのあたりなんでしょうかね。
恐怖表現より役者の感情や表情がよく見えることを重視して照明設計もなされていたような気がします。
しかし演出面はさすがの中島監督。要所ではしっかり怖がらせてくれるので心配は必要ありません。
すごくしっかりしたエンタメホラーという感じでした。これだけシリアスなのに笑える要素を入れる事ができるのも中島監督の手腕ならでは。

個人的にもったいなかったのは、琴子さんが除霊を始めてから追い込まれるまでの過程をもう少し丁寧に描いてほしかったです。
強大な霊を相手にしているとは言え、鏡を割られただけでスーッと窮地に立たされるのはちょっと悲しいなぁ。

あと原作と明確にラストを変えて来たのは気になりますね。原作の寝言「〇〇〇〇」より「オムライス」を優先したのは何故なんでしょう
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