つるみん

アダダのつるみんのレビュー・感想・評価

アダダ(1987年製作の映画)
3.6
もともとは韓国の短編小説を映画化した作品。TVドラマもあったそう。

また個人的には『死霊の罠2』の劇中で、主人公亜紀が働く映画館でたびたび上映されていた作品が本作だったので、気になったので観賞してみた。


右手の手話から始まる本作。
身体は悪くないが、言葉を話せないことから暴力に遭う主人公アダダ。結婚しても、旦那は酒に明け暮れ、知らない女を持ち帰ってくる始末。そんな悲惨な人生を送りながらも必死に生きようとするその姿が見ていて苦しい。韓国の昔からある家父長制を女性目線から描いた作品であり、またお金は人を変えるという怖さを知る。

今思えば、この文化というのは未だに根付いている。ここまで酷くはないだろうが、今でも通ずる部分はあるだろう。もちろんお金に関してはいつの時代もそうであろう。お金の怖さは計り知れない。それにしてもラストは呆気なかった。彼女の中で幸せな瞬間というのは果たしてどれくらいあったのだろうか…。

それにしても案外しっかりしたストーリーで驚いた。もちろん60年代の『下女』などいわゆる傑作と言われてきた古典韓国映画は観賞したが、80年、90年代はあまり良いイメージを持たない。日本との映画交流が1999年頃からと言われていたからであろうか。しかし本作を観て、意外とこれから深めていく価値はあるのかもしれないと思った。

しかしそれにしても初夜を迎えるシーン長かったな。それからイ・ヨンギョン(今や暴力団や悪徳議員ばかりの役だが笑)とヤるシーンの時の太鼓がドンドコ鳴るシーンは笑ってしまった。まあ映像の粗さ加減でそう思ってるのかもしれないが、大島渚監督を参考にしたのではないだろうか。
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