TakuoAoyama

半世界のTakuoAoyamaのネタバレレビュー・内容・結末

半世界(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

戦後まもなく開館した福岡中洲大洋映画劇場。2024年3月末にその78年の歴史に幕を閉じるその老舗映画館の恩返し興行で鑑賞。

阪本順治の脚本・監督のオリジナル作品。

三重県で父親から受け継いだ備長炭の製炭を生業とする紘(稲垣吾郎)。ある日海外派遣から帰郷した自衛隊の瑛介(長谷川博己)。親父と中古車販売を営む光彦(渋川清彦)。

鉱はビジネスの厳しさと息子との関わり方に。瑛介は妻子と別れて1人でコンバットストレスに。光彦は未だに独り身。39歳、人生の岐路に立たされた中学同級生の中年男性3人は各々家庭に、仕事に、悩まされる。

稲垣吾郎は「正欲」と同じく息子に理解がない父親役。ハマり役か。

故郷にて十数年振りの再会に酒を酌み交わしたり、海岸で毛布を被りながらじゃれてる二等辺三角形の三馬鹿親父達が微笑ましい。

また、鉱と初乃(池脇千鶴)の熟年夫婦感も良き。

棺に入ろうとする初乃、敬礼をする瑛介、堪えきれなくなる光彦。切な過ぎる鉱の葬式。

ラストの「秋刀魚ではなく鯖にして」という留守電を初乃はいつまでも消せないだろうな。
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