ヒムロ

ザ・リチュアル いけにえの儀式のヒムロのレビュー・感想・評価

3.0
ルークは友人のロブとコンビニに寄った際、強盗に出くわしてしまう。
怯えて隠れていたおかげでバレずに助かったルークだったが、ロブは結婚指輪を渡すことを拒み殺されてしまう。
それから半年後、ルークは大学時代の友人ロブの死を弔うために、友人達と生前ロブが行きたがっていたスウェーデンの山間部のトレッキングをしに来ていた。
しかし遊歩道を使わず森の中を進む最中、嵐に見舞われ偶然見つけた小屋で眠りにつくと、全員が奇妙な悪夢を見る。
吊るされたヘラジカの死体、謎の偶像、木に刻まれた文字、ここで一体何が起こっているのか。


なんというかパッとしない映画だったがラストの怪物の造形だけで素晴らしく価値のある映画だった。
まさに異形で、異世界の怪物と言うべき他に類を見ない奇怪な見た目と邪悪さと神々しさを兼ね備えたオーラが最高。
まぁ正直あんま面白くないけど怪物が最高という意見を聞いて見たのでまさにその通りだった訳だが。

ストーリーは90分ちょいの映画なのに序盤20分ぐらい特段何も起こらないフリに使ってるので冗長。
友人を助ける勇気がなかった事を後悔しているルークが、色々あって友人達と険悪になるが最後は彼らを助けてハッピーエンド。
的なストーリーになるのだろうと思っていたが、悪い方に裏切られた。
まさかルーク以外全員殺されるとは。
ルークの成長というストーリーもなければ(一応助けようと努力はするが)、友人が殺されて終わる事の後味の悪さも特段描いていない。
逃げ切って終わり、ではなく逃げ切った先の日常にまたトラウマや友人の家族の批判や怪物の影があれば面白い終わりになっただろうに。

敵自体は未知の何かが襲ってきているという感じだったのに最後に人間の邪教徒達が出てくるのにはガッカリ。
彼ら曰く不死を与えてもらった代わりに生贄を差し出していると言うが、じゃあ途中森で明らかに人外の何かに襲われたりしたのは何故だったのかさっぱりわからない。
ルークには明らかにあのコンビニの幻覚が見えているので最初からヨトゥンに襲われているのは確実だし…というか何故ヨトゥンが後悔している事を責めてくるのかもハッキリしない。
他の友人には全然関係ない悪夢とか予知が見えている感じだし。
後悔がトリガーで選ばれて胸に印を貰ったという事なのだろうか?


やっぱ最後のヨトゥン様の造形なしでは許せない映画だった。
ヒムロ

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