平凡だからこそ普遍的な頑なさとひねくれた内向的な暗さ、幻の同級生のイマジナリーフレンドの儚さ(病気の同級生から勝手に作り上げている所が良い)。
イマジナリーフレンド物としては大傑作「なっちゃんはまだ新宿」の鬼気迫る狂気と迫真性やエモーショナルな力強さには及ばないけれど、監督デビュー作「あさつゆ」からの技巧面の飛躍的な進化には目を見張る。カメラマンのお陰でもあると思うけど、と思ったらカメラマンは「僕はイエス様が嫌い」の監督なのね。最近の学生映画は本当に技術面が向上してるのだけど、これは更に現実慣れしたイマジネーションをちゃんと映像に具現化できていて感心する。いや学生映画といいつつ協賛にAOI Pro.やGAGAの名前が並んでいるんですが・・
主演の小川未祐の強い眼力と安定した演技力は、映画をしっかり引っ張る。城定映画でお馴染みの佐倉萌をちゃんと活かせているのも良い。
