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戦場のレクイエムのGTのレビュー・感想・評価

戦場のレクイエム(2007年製作の映画)
3.8
国民党と共産党の争いである「国共内戦」がテーマ。朝鮮戦争も少しだけ含まれている。
戦争シーンの激しさにまず度肝を抜かれる。一般的な戦争映画に比べると妙にグロい面が強調されており、銃に撃たれた後はしっかりと血が吹き出す。特に序盤、千切れた足から血や内臓がぶわあっと吹き出すシーンの生々しさ。
まるで銃撃の反動に合わせるかのように激しく振動する画面も特徴。手持ちカメラで撮影されたと思われ、戦闘の激しさや生々しさを強調するのに一役買っているが、反面画面酔いしやすく何が起きているのか分かりづらい。戦争系の映画は登場人物が誰が誰だか分からなくなりやすいが、この演出のおかげでよりそれが際立っている印象。
前半が「動」だとすれば後半は「静」で、第九中隊の戦友の名誉のために奮闘するグー・ズーティ中隊長の姿が描かれる。前半のドンパチが苛烈だったぶん、少々退屈かもしれないが、中隊長の仲間への思いが感じられて俺は好き。「父親たちの星条旗」でもそうだったが、戦場での絆の強さというのは、他のどんなものよりも強いのかもしれない。半ば狂的なまでに仲間の名誉と遺体の回収に奔走するグー・ズーティ中隊長の姿は、まるでもう、それにしか縋る物がないかのようだ。
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