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タッチ・ミー・ノット~ローラと秘密のカウンセリング~のKのレビュー・感想・評価

4.3
なぜ私は胸に名前を付けていないのだろう。不自由で、束縛されていて、洗脳されているからかもしれない。

これは“自由な人間関係”の物語である。

人間は孤独を恐れて、他者と親密な関係を築こうとする。しかし、親密を拒否しようとする態度を取っている。その歪みは偏見や差別によって作られている。

壁は、外部から内部への侵入を防ぐためではなく、内部から溢れ出ないようするためにある。感情を抑制することで不自由になっていく。

自由とは探究することである。クリスチャンが言うように、この世界は善悪の2種類しかないのではなく、もっと複雑でグレーが多くを占めている。グレーの中にもさまざまな色がある。それをひとつずつ知っていくこと。

テーマは秀逸だけれど、モキュメンタリーである点が物足りなかった。個人的には小さな物語を提示して欲しかった。
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