Yoshishun

詩季織々のYoshishunのレビュー・感想・評価

詩季織々(2018年製作の映画)
2.0
"分速5センチメートル"

『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』の頃の新海誠が好きな方には確実にぶっ刺さるオムニバス作品。
かくいう私は、両作ともドン引きしたんですが、よくYouTubeの飯テロ動画に流れるのを観てたので、ネトフリでたまたま見つけたのを鑑賞。
まさに『秒速5センチメートル』の続篇と言われても信じてしまう程、とってもポエミーな内容でした。

先にポエム要素以外について。
ビーフンの描写はかなり気合いが入っており、新海作品に準えて食べ物の描き方はかなり忠実に再現されている。最初のエピソードに登場するビーフンはうどんにしか見えなかったが、その後ビーフンの透き通っているシーンがちゃんと入っている程に気合い入れまくり。
その後よくある飲食店にあるような機械的に作られたビーフンはあまり美味しくなさそうで、ほんの些細な食事の描き分けでさえもできている。
また、その後に登場する中華料理の数々もさすが飯テロ動画に起用されるだけある。

さて、問題のポエム要素。
鑑賞後の印象は秒速とあまり変わらず。
ただビーフンを食べているだけ、『ヘルタースケルター』のような生意気な後輩ができただけ、好きな幼馴染とすれ違っただけで、観客の需要を数倍以上超えるポエムが披露される。特に最初の「陽だまりの朝食」は、ビーフンを通して主人公の辿ってきた青春を振り返るという物語だが、ビーフン以外の片思いや家族との時間のエピソードにネチネチとポエムを挟み込み、物語のテンポを絶望的なものにしている。10分で終わりそうな内容を20分に引き延ばした印象。
また3つ目の「上海恋」も一昔前のベタな恋愛劇にポエムがミックスされたクドい作品に。

元々飯テロ目的で観始めたという不純な動機で申し訳ないですが、それでも60分くらいしか無いはずなのに120分に感じてしまう程苦痛に感じてしまいました。
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