鍾馗

洗骨の鍾馗のレビュー・感想・評価

洗骨(2018年製作の映画)
4.0
土曜の休みがほとんどなく、日曜は家事と芝居の準備に追われる今日この頃。
久しぶりに出来た自由時間で選んだ映画は、ビッグバジェットを避けての照屋年之監督作品【洗骨】。

遠い昔、まだ物心がつくかつかないかの年齢のとき。
極彩色の荷車と吹流し。祖父に手を引かれ、黒い衣装に見を包んだ数十名の行列で山の奥に入っていった記憶。
昭和40年代、まだ祖父の故郷では土葬が残っていました。

もう平成が終わろうとしていますが、沖縄の粟国島(あぐにじま)ではいまだに風葬と洗骨の風習が残っています。
沖縄出身の照屋年之(=ガレッジセール ゴリ)はこの風習に目をつけ、脚本を書き監督をしてこの作品を撮りました。

照屋監督は沖縄の撮り方を心得ています。風景描写が良いです。
奥田瑛二大島蓉子筒井道隆などの配置なので芝居は特に問題ありません。子役の少年が良かった。
効果音も良いですよ。
ただ、お笑い芸人の性でしょうか、必要ないなと思えるギャグがあったのが惜しい。

母が死んだ。
父は、息子は、娘は、それぞれの4年間を過ごして、洗骨のためにまた実家に集うが3人ともそれぞれに悩みを抱えていた。

風葬と洗骨という風習が気になってこの映画を見たのですが、照屋監督はここに生と死を絡めました。
BONE(骨)とBORN(誕生)が同じ発音(に聞こえる)なのは偶然なんでしょうか?
鍾馗

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