台詞から2001年のインドの田舎が舞台であることを知る。
2022年の日本から見れば狂信的にしか思えない、風習、しきたり、タブー。
そんな常識にまみれている人々の中で異を唱えることの恐ろしさ。
それがこれでもかと描かれていて、よかった。
現代から見れば、信じ難い風習や考えは、いったいどういう経緯を経て、そこに至るに至ったのか。この自分が生きている今もそういった風習や考え、常識にまみれている。そんな気がしないのは、自分がそれが当たり前だと思い込んでいるからだ。それに気が付けない場合は、あのインドの村人たちを馬鹿にすることはできない。大切なのは、思考停止で拒否反応を示している自分に気づけるかどうかで、疑うことすら考えもしなかったことに微かでも違和感を感じられるかどうかで、その僅かな何かを逃さない感性を持ちたいと思えるかどうか、なのだろう。